登山用のメリノウール靴下は何がいいの?
夏でも使える?
登山やハイキング用で靴下を探しているとき、素材がメリノウールのものをよく見かけます。
一方で、ポリエステルなどの化学繊維の靴下もたくさん売られているので、実際どちらを買えばよいか迷ってしまうことがあると思います。
今回は、メリノウール靴下がどんな登山のシチュエーションに合うのかを説明します。
また、メリノウール靴下の人気メーカーについても解説していきます。
メリノウールのメリット・デメリット
メリノウールには優れた特徴がいくつもあります。
この中でも、下記の特徴は登山やハイキングをする上で大きなメリットとなります。
- ソフトな肌触り
- 優れた吸湿性
- 濡れても落ちない保温性
- 抗菌性と防臭性
- UVプロテクション
詳細はこちらの記事をご覧ください。
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登山やハイキングをする上で、メリノウールの最大のデメリットは「速乾性が低い」ということです。
メリノウール靴下が最適な登山のシチュエーション
それでは、メリノウールの靴下は登山において、どのようなシチュエーションに適しているのでしょうか。
こちらは、シチュエーション別に求められる機能と、それに適した素材を示した図です。
この図をみると、温暖で行動負荷が大きく、多くの汗を処理する必要があるときは「ポリエステル」、それ以外のシチュエーションでは、「メリノウール」が最適と言えます。
メリノウールのデメリットとして、速乾性が低いことが挙げられます。
したがって、夏場の暑い時期で行動負荷が大きい場合は、多くの汗を素早く乾かしていく必要があるので、メリノウールではなくポリエステルの方が適しています。
それ以外のシチュエーションでは、「吸湿性」や「保温性」、「消臭性」が重視されるので、メリノウールが適しています。
メリノウール靴下は夏山でも使える?
さきほども説明したように、夏場の暑い時期で行動負荷が大きい場合は、ポリエステルの方が適しています。
しかし、それ以外のシチュエーションであれば夏山でも、メリノウール靴下は大いに活躍します。
夏山でも朝晩は冷え込むこともあるので、保温性の高いメリノウールが重宝します。
また、縦走などでは少しでも荷物を軽くするため、夏場でも同じ靴下を連続して履くことがありますが、消臭性の高いメリノウールだったら匂いを気にせず履くことができます。
ウールと聞くと、どうしても冬に身につけるイメージがあり、夏場に履くと暑そうと思われるかもしれませんが、実際そんなことはありません。
「繊維自体に高い吸湿性を持つメリノウールは、汗をかく前の段階から体が発する水蒸気を吸収して大気中に発散させます。また、運動してかいた汗は毛管現象で吸い上げて気化させるので、肌はいつもドライで快適に保たれます。
引用:ゴールドウィン
冬暖かく、夏涼しいメリノウールは、「天然のクーラー」とも呼ばれています。
そうは言っても、夏場にメリノウールを履くのに少し抵抗があるという人は、「薄手」、「5本指」、「ショート丈」の3つの条件に当てはまるものを選んでみることをおすすめします。
メリノウールは季節や目的に応じて、様々な厚さ(重さ)のものがそろっています。
夏場の特に暑い時期には「120/130」がおすすめです。
また、「150」であれば一年を通して快適に着ることができます。
靴下には、上図のような数値が表記されていない場合が多いのですが、メリノウールは季節にあった厚さ(重さ)があることを知った上で選ぶのがよいでしょう。
また、「5本指」の靴下であれば、指と指の間にこもった汗も吸収してくれるので、より蒸れにくいと言われています。
合わせるシューズにもよりますが、ローカットの靴の場合は「ショート丈」を選ぶことで、さらに足元を涼しく保つことができます。
夏場でもメリノウール靴下を積極的に使ってみましょう。
メリノウール靴下の人気メーカー
メリノウール靴下の人気メーカーをいくつか紹介しましょう。
smartwool(スマートウール)
「アメリカで生まれたスマートウールは、もともとスキーをするときにつま先が冷えない靴下の開発から始まりました。その開発中に、メリノウールのメリット(吸湿発散性や体温調節機能、消臭性など)に注目し、商品化に至ります。靴下にメリノウールを使用した最初のメーカーです。
すべてのアイテムには、購入から2年以内に満足できない場合は返品可能という100%満足保証が付いていて、自信の表れを垣間見ることができます。
参考:スマートウール」
引用:※
POINT6(ポイント6)
「スマートウールを創業したピーターとパティのデューク夫妻が、さらに強くて機能的な靴下を求めて立ち上げたのが「ポイント6」。
ポイント6の靴下は、体温が華氏98.6度(摂氏37度。西洋人の平均的な体温)を維持することを目的としていて、この小数点“6度”が名前の由来になっています。
参考:ポイント6」
引用:※
DARN TOUGH(ダーンタフ)
「アメリカバーモント州で3世代にわたってタフで快適なソックス作りを続けてきたCabat Millが、2004年に生み出したのが「ダーンタフ」。
ダーンタフの商品はとくに耐久性に優れていて、なんとすべての商品に生涯保証がついています。
参考:ダーンタフ」
引用:※
FITS(フィッツ)
「2010年にアメリカテネシー州で誕生したメーカー。
『THE PERFECT FIT IS OUR DNA ~パーフェクトフィットこそが我々のDNA~』を
スローガンにかかげていて、名前の通り「フィット感」に妥協のないメーカーです。
参考:フィッツ」
引用:※
icebreaker(アイスブレーカー)
「アイスブレーカーは、創業者があるメリノ羊農家に出会ったところから始まります。
その農家がつくった100%メリノウールのTシャツのプロトタイプに驚き、アウトドアウェアとしてのメリノウールの可能性に気が付きました。
現在では、ニュージーランドだけでなく世界に商品を供給するグローバルブランドへと成長しています。
参考:アイスブレーカー」
引用:※
※引用元はこちらの記事をご覧ください。
お店で登山用靴下を選ぼうと思ったら、色んなメーカーの靴下がずらり。 たくさんあってよく分からないから、とりあえずネットで調べたら、もっとたくさんのメーカーがでてきて途方に暮れてしまったという人もいるはず。 はじめ[…]
まとめ
今回は、メリノウール靴下がどんな登山のシチュエーションに合うのかを説明しました。
また、メリノウール靴下の人気メーカーについてもご紹介しました。
まとめに移ります。
・メリノウール靴下のデメリットは、「速乾性が低い」。
・夏場の暑い時期で行動負荷が大きい場合は、多くの汗を素早く乾かしていく必要があるので、ポリエステルの方が適している。それ以外のシチュエーションでは、「吸湿性」や「保温性」、「消臭性」が重視されるため、メリノウールが最適。
・夏でも朝晩が冷え込む場合や何日間か連続して履く場合は、保温性や消臭性の高いメリノウールが重宝する。
・夏にメリノウールを履く場合には、「薄手」、「5本指」、「ショート丈」がおすすめ。
・メリノウール靴下の人気メーカーは「smartwool(スマートウール)」、「POINT6(ポイント6)」、「DARN TOUGH(ダーンタフ)」、「FITS(フィッツ)」、「icebreaker(アイスブレーカー)」など。
メリノウールのメリット・デメリットを把握して、シチュエーションにぴったりなメリノウール靴下を探してみましょう。