今持っている登山用レインウェアはしっかりとした作りだけど、少し重いんだよな。
ロングトレイルやトレランに挑戦してみたいから、少しでも軽量なレインウェアがほしい。
より快適に速く歩くために、少しでも装備を軽くしたいと思ったことはありませんか。
実際、私自身も装備を軽くして楽に歩けるようになった経験があります。
ただ、レインウェアは雨風から身を守ってくれる重要なアイテムなので、むやみに軽いものを選んでしまってよいのかと心配になりますよね。
今回は、下記について説明していきます。
- 軽量なレインウェアはどんなものがあるか。
- シチュエーション別にどのような機能性が求められるのか。
- シチュエーション別にどの軽量なレインウェアがあっているのか。
それでは、さっそく参りましょう。
レインウェアに求められる5つの機能
レインウェアに求められる機能を「耐水圧」、「透湿性」、「防風性・耐久性」、「軽量・コンパクト性」、「動きやすさ」の5つにまとめました。
それぞれ機能については、次のように評価しています。
軽量な登山用レインウェアが求められるシチュエーショとは
そもそも、登山やハイキングにはどんなシチュエーションがあるのでしょうか。
今回、登山やハイキングを11のシチュエーションに分けて考えてみました。
シチュエーション別に求められるレインウェアの機能性を示してみます。
では、この11のシチュエーションの中で、軽量でコンパクトなレインウェアが求められるのはどれでしょうか。
それは、主に「ロングトレイル・縦走」や「トレラン」です。
もちろん日帰り登山でも軽量なレインウェアが求められることはありますが、「ロングトレイル・縦走」や「トレラン」ではより軽量化されたモデルが必要とされます。
「ロングトレイル・縦走」はテント泊などを行うので、どうしても装備が多くなってしまいます。
なので、登山者やハイカーは、1つ1つのウェアやギアはできるだけ軽いものを選びたいと考えています。
また、「トレラン」は軽快に走るために、こちらも軽いモデルが選ばれる傾向にあります。
軽量な登山用レインウェアのスペック一覧
現在、市販されている登山用レインウェアの中で、軽量なモデルをピックアップしてみます。
今回は、重さが200g以下のものを選んだところ、15モデルが該当しました。
100g未満
100g~150g
151g~200g
シチュエーション別のおすすめレインウェア
さきほどの11のシチュエーションのうち、「ロングトレイル・縦走」と「トレラン」に当てはまるのは、⑥~⑪です。
200g以下の15モデルがどのシチュエーションに合うのか当てはめていきます。
なお、数値が0なのは、機能性がないということではなく、機能性についてデータがないことを示しています。
⑥「整備された里山トレイル」×「ロングトレイル」
「ロングトレイル・縦走」は、装備が重くなる傾向にあるので、どうしてもバックパックの重みで生地に浸水する可能性がでてきます。
生地への浸水を防ぐために、耐水圧は少し高く設定しています。
またバックパックの重みに耐えられるようレインウェアの耐久性も少し高めにしました。
このシチュエーションに合うのは次のモデルです。
⑦「樹林帯」×「ロングトレイル」
樹林帯では、レインウェアが木にひっかかったり、岩にこすれるような場面もでてくるのである程度の耐久性が欲しいところです。
⑥ですでに耐久性を高く設定していたので、必要なスペックは⑥と同等と考えます。
なので、このシチュエーションに合うのは⑥で紹介したものと同じです。
⑧「標高2000m以上」×「ロングトレイル」
標高2000m以上の稜線では、強い風雨に遭うことが想定されるので、防風性・耐久性をさらにアップさせました。
200g以下では、このシチュエーションに合いそうなレインウェアはありませんでした。
標高2000m以上の場所ではロングトレイルや縦走では、長時間過酷な環境にさらされる可能性も考えられます。
少し重くなっても、耐水圧や防風性・耐久性がしっかりしたモデルを選ぶことをおすすめします。
⑨「整備された里山トレイル」×「トレラン」
「トレラン」は身体の動きが大きくなるので「動きやすさ」を重視します。
また、背負って走れるくらいの装備に抑える必要があるので、「軽量・コンパクト性」も高く設定しました。
このシチュエーションに合うのは次のモデルです。
⑩「樹林帯」×「トレラン」
樹林帯では、レインウェアが木にひっかかったり、岩にこすれるような場面もでてくるので⑨よりも少し耐久性をアップさせています。
このシチュエーションに合うのは次のモデルです。
⑪「標高2000m以上」×「トレラン」
⑧と同様に、標高2000m以上の稜線では、強い風雨に遭うことが想定されるので、「耐水圧」、「防風性・耐久性」をアップさせました。
このシチュエーションに合うのは次のモデルです。
「FEATHER RAIN FULL ZIP JACKET 2.0」は、かなりバランスのよいレインウェアですが、標高2000mで強い雨風が予想される場合は、「耐水圧」、「防風性・耐久性」がより高いモデルを選ぶのがよいでしょう。
長時間ではないランや、天候がおだやかなときなど少し限定的な使い方になるでしょう。
それでも迷ったら、この一着!
⑥~⑪のシチュエーションのうち、自分がやっている活動がどれに近いか、今後どの活動をしていきたいかを決めれば、候補はかなりしぼられるのではないでしょうか。
それでも迷うなあとう方は、以下のモデルをおすすめします。
下の2つのモデルをおすすめするのは、次の理由からです。
- 5つの機能に関するデータが公開されている。
- 5つの機能に関してバランスが取れている。
- 国内メーカーのため、日本人の体形にあっており、日本の気候に対応できるよう設計されている。
- 「ロングトレイル・縦走」、「トレラン」という範囲の中では使用できる場面が広い。
ロングトレイル・縦走におすすめ
「ロングトレイル・縦走」におすすめなのは、山と道の「UL Rain Jacket PU Shinsui」
製品名 | UL Rain Jacket PU Shinsui |
耐水圧 | 20000mm(メーカー公表値) |
透湿性 | JIS L 1099 B-1 20000g/㎡/day(メーカー公表値) |
素材 | Pertex® Shield Pro |
生地の厚さ | “表地:10d/10f x 10d/10f+30d, ripstop
裏地:7d トリコット” |
層 | 3 |
重さ | 140g(Size M) |
サイズ | ― |
動きやすさ | ゆとりあるフィット
ストレッチ性 |
値段 | ¥33,000 |
特記 | ― |
140g(Mサイズ)という軽さでありながら、十分な耐水圧・透湿性・動きやすさをあわせもったモデルはなかなかありません。
トレランにおすすめ
「トレラン」におすすめなのは、ティートンブロスの「FEATHER RAIN FULL ZIP JACKET 2.0」
製品名 | FEATHER RAIN FULL ZIP JACKET 2.0 |
耐水圧 | 20,000mm |
透湿性 | 20,000g/m²・24hrs |
素材 | ー |
生地の厚さ | 15デニール |
層 | 3 |
重さ | 175g |
サイズ | ― |
動きやすさ | 4方向のストレッチ |
値段 | ¥26,000 |
特記 | ― |
こちらも非常にバランスのよいモデルで、4方向ストレッチでかなり動きやすくなっています。
トレランはもちろん、ロングトレイルや縦走でも幅広く使えそうです。
デザインもかっこいいです。
まとめ
本日の内容をまとめます。
- レインウェアに求められる機能は「耐水圧」、「透湿性」、「防風性・耐久性」、「軽量・コンパクト性」、「動きやすさ」
- 軽量でコンパクトなレインウェアが求められるのは「ロングトレイル・縦走」と「トレラン」。
- 「ロングトレイル・縦走」は装備が重くなる傾向にあるので、「耐水圧」と「耐久性」が高いものがベター。
- 「トレラン」は「動きやすさ」と「軽量・コンパクト性」を重視。
- 「ロングトレイル・縦走」は山と道の「UL Rain Jacket PU Shinsui」、「トレラン」はティートンブロスの「FEATHER RAIN FULL ZIP JACKET 2.0」がおすすめ。
気になった一着はあったでしょうか。
軽量な登山用レインウェアを選ぶのに少しでも役立ったらうれしいです。
私自身も気になったレインウェアがあったので、ぜひフィールドで試してみて、数値と感覚が合うのかどうか試してみたいと思います。