登山用にサングラスってどうして必要なの?と思ったことはありませんか。
今回は、登山サングラスの必要性、選び方は?どこで買う?レンズの色は?などの疑問について解説します。
また、おすすめモデルについてもいくつか紹介していきます。
登山サングラスは必要?
登山用サングラスは必要か?と聞かれることが時折あります。
雪山以外の場合は、「必須ではないけど、できれば持っていった方がいいです。」と答えています。
※雪山では太陽光線が雪に反射し、目に入る紫外線量が格段に多くなるため、サングラスやゴーグルは必須です。
私も初めは装着していなかったのですが、最近は必ず持っていくようにしています。
それはサングラスをかけることによって、ストレスと疲労感が大幅に減るからです。
登山サングラスの機能
登山サングラスは実際にどのような機能をもつのでしょうか。
主な機能は次の3つが考えられます。
①紫外線から目と皮ふを保護してくれる
まずは、紫外線から目と皮ふを保護してくれることです。
紫外線の浴びすぎは、日焼け、しわ、シミ等の原因となるだけでなく、長年紫外線を浴び続けていると、時には良性、悪性の腫瘍や白内障等を引き起こすことがあります(※1)。
登山やハイキングでは、長時間紫外線にさらされる機会が多くなりますし、高度1000mでは紫外線量が10~12%増えるというデータもあります(※1)。
また、太陽が高い位置にある時、紫外線暴露量は帽子の着用で20%減少しますが、UV カット機能を持った眼鏡やサングラスの着用で90%減少するとも言われています(※1)。
ですから、紫外線から目を守ろうと思う場合は、サングラスは必須アイテムとなります。
②風やほこり、砂、小枝などから目を守ってくれる
登山やハイキングをしていると、紫外線量がそれほど多くない日でも目が赤くなっていることがあります。
歩いていると、風やほこり、砂など想像以上に色んなものが目にさらされていることがよく分かります。
また、森の中を歩くときは小枝が目の前に飛び出してきて、ヒヤッとする場面もよくあります。
サングランス1つかけるだけで、これらのストレスはかなり減らすことができます。
③視認性が高まる
日差しが強いときは、目に入ってくる光が強すぎて遠くの方がかすんで見えることがあります。
そもそも光が強すぎると、目をしっかり開いてみることも困難です。
また、日差しを避けようと顔もうつむきがちになり、見える範囲も狭くなる傾向にあります。
サングラスをかけることによって、強すぎる光や風、ほこりなどの物理的なストレスを遮断すれば、常にはっきりと遠くまで見渡すことができ、視認性はぐっと高まります。
安全な登山にするためには、視認性を高く保つことは非常に重要です。
①~③の機能によって、サングラスをかけた場合は、かけないときと比較すると、ストレス&疲労感が大幅に軽減されます。
登山サングラスの選び方
サングラスと一言で言っても、その種類は千差万別です。
登山やサングラスには、どのようなタイプが合うのでしょうか。
サングラスの種類
まずは、サングラスの種類です。
サングラスの中には、「スポーツサングラス」と呼ばれるものがあります。
このスポーツサングラスは、通常のサングラスよりもフィット感や耐久性に優れています。
通常のサングラスと比較すると、次のような特徴があります。
・軽量
・衝撃に強い
・目の周りを覆う大きめのレンズ
ハイキングでそれほどハードな道でなければ、通常のカジュアルなサングラスでも使用できると思いますが、基本的には汎用性の高い「スポーツサングラス」をおすすめします。
登山やハイキングでは、足元を見ることも多く、汗もかくので、普段よりもサングラスがずり落ちてくる場面が多くなります。
また通常よりも動きは大きくなるので、軽量でフィット感の高いスポーツサングラスが適しています。
なかでも一眼タイプ(左右の眼を保護するレンズが1枚でつながっているもの)であれば、フレームが視界を遮ることなく、顔へのフィット感も高いと言われています。
レンズの種類(調光レンズと偏光レンズの違い)
レンズの種類は大きく分けて、以下の4種類です。
・偏光レンズ
・調光レンズ
・ミラーレンズ
いずれもアウトドアのシーンでよく見かけます。
それぞれの特徴を理解して、自分にあったレンズを選びましょう。
カラーレンズ
カラーレンズは、眩しさを緩和することで視界を鮮明にする効果があります。(中略)
また、透明なレンズでもUVカットレンズと書いてあるものであれば、紫外線はカットできます。
偏光レンズ
レンズに偏光膜と呼ばれる特殊なフィルターを挟み込み、一定方向の光だけを通すのが偏光レンズの仕組み。光を偏らせ光の拡散を軽減することで、快適な視界を実現します。一般的なカラーレンズに比べて、水面の反射や映り込みや木漏れ陽の拡散を抑えるのでフィッシングやアウトドアに最適です。また、路面や自動車のガラスなどの反射対策として日中のドライブにもおすすめです。
調光レンズ
調光レンズは、太陽光に含まれる紫外線や可視光線に反応して、カラーの濃淡が変化するのが特徴です。調光レンズが反応する光の量が多くなるほどレンズのカラーは濃くなり、少なくなるほど薄くなるという性質を持っています。そのため、日差しが強い屋外ではレンズのカラーが濃くなり、眩しさを軽減します。一方、日差しが届きにくい屋内ではレンズのカラーが無色透明に近くなり、視界が明るく保たれます。
ミラーレンズ
光を吸収することで、まぶしさを和らげる一般的なサングラスとは違い、ミラーサングラスはレンズに当たる光を反射することでより効果的に目を保護します。(中略)
ミラー加工をすることによってレンズ裏面(顔側)から入った光が反射しやすくなるので注意が必要です。」引用:メガネのアイガン
最も一般的なのは「カラーレンズ」と思います。
レンズに色がついていて、まぶしさを緩和してくれるというシンプルな機能です。
よく混同するのが「偏光レンズ」と「調光レンズ」です。
簡単に説明すると、「偏光レンズ」は光の反射をカットしてくれるもので、路面や水面、葉などから反射してくるぎらつきを抑えます。
「調光レンズ」は紫外線や可視光線の量にあわせてレンズの色の濃さが変わるというものです。光の量にあわせて濃さが変わるので、日差しが強い場面から弱い場面まで視界が良好に保たれます。
「ミラーレンズ」はミラーで光を反射することで、効果的に光をカットしてくれるのですが、レンズ裏面(顔側)から入った光が顔に反射しやすくなるというデメリットがあります。
レンズの種類で、私がおすすめしているのは「調光レンズ」です。
登山やハイキングでは、朝から夜まで長い時間歩くことがあり、一日の中で光の量はかなり変わります。また、稜線を歩くときと森を歩くときでも日差しの強さは大きく変化します。
そのような状況の中で、調光レンズは絶えずレンズの濃淡が変わるので、暗すぎず明るすぎないちょうどよい光の量に調整してくれます。
左:日光を当てる前
右:日光を1分間当てた後(曇天)
どのレンズを選ぶにしても「UVカット機能」がついていることは確認しましょう。
色がついているだけで、UVカット機能がついていない場合は、かえって目を傷める可能性があります。
レンズの色
サングラスを選ぶ際に、レンズの色も重要です。
色によって見え方がかなり変わってくるからです。
レンズの色別の特徴はこちらを参考にしてください。
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私がおすすめするレンズの色は「グレー」です。
まぶしさ防止効果が高く、光を平均的にカットするので色調変化が少なく、自然な景色が楽しめます。
引用:PARIS MIKI
私の場合はよく写真も撮るし、なるべく自然のそのままの色調を楽しみたいと思っているので、色調変化の少ないグレーを選択しています。
登山サングラスのブランド
登山サングラスには、どのようなブランドがあるでしょうか。
有名なブランドについていくつか紹介します。
ここではアジアンフィット(日本人の骨格に合わせた設計)のモデルがあるブランド、もしくは国産ブランドを抜粋しました。
日本人向けに設計されているので、より高いフィット感が得られると思います。
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登山サングラスのおすすめモデル
登山サングラスに求める私なりの条件をまとめてみます。
・調光レンズ
・レンズカラーはグレー
・アジアンフィットもしくは国産ブランド
では、上記の条件に当てはまる、おすすめのモデルを紹介します。
オークリー
スワンズ
EN8-0066 BK E-NOX EIGHT8 調光レンズモデル
モンベル
ティフォージ
スミス
私が実際に購入したのは、モンベルの「ストリームグラス BC」です。
レンズが暗くなりすぎず、森の中でも視界を良好に保てるのでとても気に入っています。
スポーツサングラスはちょっとスポーティーすぎて苦手という人は、見た目がカジュアルだけどアウトドアでも使用できる下記のモデルなどがいいかもしれません。
私が購入を検討したのは次のモデルです。
△FLOAT
△スワンズ
PW-0053 MBK DF-Pathway 偏光レンズモデル
△Answer4
特に気になるのは、FLOATの「SHMW ASTRA 2nd」というモデル。
軽量で耐久性抜群、さらに調光レンズで私にとっては理想的なサングラスです。
ただ、現在は売り切れのようです(2021年08月14日現在)。
登山用サングラスはどこで買う
実際に登山用サングラスを買うにはどこがいいでしょうか。
私は実際のフィット感などを大切にしているため、ネットではなく店舗で試着して買うようにしています。欲しいと思ったサングラスでもかけてみると自分には似合わないということはよくあるからです。
店舗であれば、スポーツサングラスが充実している眼鏡屋さんか、登山用品店がおすすめです。
やはりサングラスのことであれば、詳しいのは眼鏡屋さんです。
フレームやレンズのことなど詳しく説明してくれます。
またメンテナンスなどのアフターフォローもしっかりしています。
ただ、登山やハイキングでの実際の使用感などは登山用品の方が詳しい印象があります。
また、登山用品店登山に適したサングラスが豊富にそろっていることが多いです。
じっくり選びたい人は、眼鏡屋さんと登山用品店両方まわってみましょう。
まとめ
まとめに移ります。
・登山サングラスの主な機能は3つ。①紫外線から目と皮ふを保護してくれる、②風やほこり、砂、小枝などから目を守ってくれる、③視認性が高まる
・登山サングラスには、スポーツサングラスがおすすめ。なかでも一眼タイプ(左右の眼を保護するレンズが1枚でつながっているもの)であれば、フレームが視界を遮ることなく、顔へのフィット感も高い。
・レンズの種類は大きく分けて、「カラーレンズ」、「偏光レンズ」、「調光レンズ」、「ミラーレンズ」の4つ。太陽光に含まれる紫外線や可視光線に反応して、カラーの濃淡が変化する「調光レンズ」がおすすめ。
・レンズの色は「グレー」がおすすめ。まぶしさ防止効果が高く、色調変化が少ないため、自然な景色が楽しめる。
・登山用サングラスを買うなら、スポーツサングラスが充実している眼鏡屋さんか、登山用品店。
※1 参考:「紫外線環境保健マニュアル 2015」 2015年3月改訂版 環境省