日帰り装備のザックの詰め方

登山ザックの詰め方|日帰り装備をどうパッキングする?ザックの細かな使い方も

  • 2021年10月24日
  • 2021年12月11日
  • 登山用品
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登山装備を一通りそろえたものの、ザックにどういう順番で詰めていけばよいのだろう?
私もいざパッキングをしようと思って、多くの装備の前で固まってしまったことがあります。

 

今回は、登山ザックの詰め方のコツや、パッキングに役立つザックの効果的な使い方、ザックの詰め方の実例を紹介していきます。

 

登山ザックの詰め方によって疲労度や危険性が変わる

登山ザックの詰め方を知っておくと、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

第一にスピードが上がり、スムーズにパッキングができるようになります。
メリットはそれだけではありません。
登山ザックの詰め方によって疲労度や危険性が大きく変わります。
詰め方が下手だとザックの中身が安定せず、身体が幾度となく揺さぶられるので、疲労度が増します。
また、身体が揺さぶられるため、細い道や岩場などでの危険度も増します。
外付けを多用していれば、それらの装備が木や岩にひっかかり、さらに危険です。

 

登山ザックの詰め方を知っておくことで、時間短縮になり、疲労度や危険性を大幅に減らすことができるのです。

 

登山ザックの詰め方のコツ

それでは、登山ザックの詰め方のコツを具体的に紹介していきます。
コツは次の5つです。

 

①取り出す頻度の高いものは、上部もしくはポケットへ。
②重いものは背中近くに。
③高密度に詰めていく。
④防水はしっかり。
⑤外付けは最低限にする。

 

それでは1つずつ解説していきます。

①取り出す頻度の高いものは、上部もしくはポケットへ。

取り出す頻度の高いアイテム(行動食など)や必要なときにすぐに取り出したいレインウェアなどは、ザックの上部もしくはザックのポケットへ入れるようにします。
これらのアイテムがザックの下の方に押し込まれていたら、取り出すのに時間がかかりますし、出すたびに詰め直す必要がでてきます。
逆に、取り出す頻度の低いアイテム(テントや寝袋など)は、行動中に取り出すことはないので、それらは一番奥に詰めます。

取り出す頻度の高いものは、上部もしくはポケットへ

 

②重いものは背中の近くに。

重いものは背中の近くに

次に、重いものは背中の近くに配置することです。
背中の近くに重いものを配置すれば、身体が揺さぶられることなく安定します。
これは、身体の重心の上に荷物の重心がくるためです。
逆に身体の重心から遠くに重いものを配置すれば、身体は揺さぶられバランスは悪くなっていきます。
私の場合は、背中近くに水や食料、調理道具などを配置することが多いです。

 

③高密度に詰めていく。

次は、高密度に詰めていくことです。
ザックの中がスカスカだと装備がザックの中で動いてしまい、歩くたびに身体が揺さぶられてしまいます。
少しくらいの揺れぐらいどうってことないと思うかもしれませんが、登山やハイキングは一日に何千・何万歩と歩くので、少しずつ疲労が蓄積してしまう可能性があります。
また、身体が揺さぶられることによって、細い道や岩場でバランスと崩してしまうこともありえます。

 

まずはアイテム1つずつの密度を高めます。
例えば寝袋。
寝袋は普通に袋に入れただけではかなりかさばります。
ですから、圧縮袋などを使って最小限まで小さくしてやります。
こうすれば高密度に収まり、ザック内にも余裕ができます。

寝袋寝袋
寝袋を袋に収納したところ寝袋を袋に入れた状態
寝袋を圧縮したところ寝袋を圧縮した状態

 

ウェア類もただ畳んだだけでは、かなりかさばります。
防水パックなどにつめて空気を抜きながら詰めれば、かなりコンパクトに収まります。
水にも濡れないので一石二鳥です。

 

次は、アイテム同士を詰めていきます。
アイテムはザックの底から縦に入れていきます。
そうすればザックの中で隙間ができにくく、また上から見たときに何がどこにあるか分かりやすく取り出しやすくなります(※)。

 

④防水はしっかり。

登山の装備の中には、濡らしてはいけないアイテムがいくつかあります。
それは衣類と寝袋などの体温を保つアイテムです。
ダウンをはじめ、濡れてしまえば、その機能を失ってしまうものもあるので注意が必要です。
私の場合は、これらのアイテムを防水のスタッフバッグに入れています。
そして、雨が降ってきた場合は、ザックカバーをかけ濡れないように対策しています。
人によっては、はじめにザッグの内側にライナーを入れて、その中に装備を詰めていく人もいるようです。

 

⑤外付けは最低限にする。

サンダルやテントのポール、カップなどザックの外にぶら下げたりしている人は意外と多いです。
装備が多いとどうしても仕方ない場面もあるのですが、基本的に外付けはしないほうがいいです。
もしやむを得ない場合も最小限にとどめましょう。
外付けしたアイテムが枝や岩にひっかかりバランスを崩すことがあるためです。

 

パッキングに役立つザックの効果的な使い方

上手くパッキングするために、ザックには色々な工夫が施されています。
今回はどのザックにもよく見られる3つの機能について紹介します。

 

コンプレッションベルト

まず1つ目が、コンプレッションベルト。
ザックの左右に取り付けられていることが多いです。
その名の通り、ザック自体を外側から圧縮する機能をもちます。
コンプレッションベルトを締めることで、ザック内の装備同士のすきまがなくなり、安定します。

フロントポケット

次にフロントポケット。
ザックの外側につけられた大きめのポケットです。
最近のモデルでは、ポケットに伸縮性をもたせた大容量のものも多く見かけます。
基本的には行動食やタオルなど、すぐに取り出したいものを入れます。
雨で濡れてしまったテントのフライシートなどをザック内に入れたくないときは、一時的にこのフロントポケットに入れて乾くのを待つこともあります。
さっと出し入れができるので、とても便利なポケットです。

ピッケルホルダー

最後にピッケルホルダー。
この機能は意外と使っていない人も多いのではないでしょうか。
このホルダーはピッケルやトレッキングポールを収納するときに便利です。
トレッキングポールは時間がないときや、荷物に余裕のあるときは、サイドポケットに差し込んで、コンプレッションベルトで固定することもよくあります。

登山ザックの詰め方の実例(日帰り装備)

それでは、実際に登山ザックの詰め方の実例を見て行きましょう。
まずは日帰り装備です。

 

5月の関東2000mくらいの山を想定しています。
実際は、ここに飲料や食料品が加わります。

日帰り登山の持ち物

日帰り登山の持ち物一覧

日帰り装備のザックの詰め方

 

登山ザックの詰め方の実例(テント泊装備)

次にテント泊装備です。
こちらも5月の関東2000mくらいの山を想定しています。
日帰りに比べると、アイテムの数が格段に増えるので、ザックへの詰め方には工夫が必要です。

テント泊登山の持ち物

テント泊装備のザックの詰め方

 

テント泊装備の場合、ザックに詰めるのにはある程度慣れが必要です。
実際にフィールドに出る前にパッキングを練習しておけば、登山中に慌てることはなくなります。
何度か練習しておけば、改善点も多くみつけることができ、より効果的なパッキングが可能になると思います。

 

まとめ

今回は、登山ザックの詰め方のコツや、パッキングに役立つザックの効果的な使い方、ザックの詰め方の実例を紹介しました。
まとめに移ります。

 

・登山ザックの詰め方によって疲労度や危険性が変わる。
・登山ザックの詰め方のコツは5つ。
①取り出す頻度の高いものは、上部もしくはポケットへ。
②重いものは身体の上部近くに。
③高密度に詰めていく。
④防水はしっかり。
⑤外付けは最低限にする。
・コンプレッションベルト、フロントポケット、ピッケルホルダーなどをうまく活用すれば、より効果的な詰め方ができる。
・登山に行く前にパッキングを練習しておきましょう。

 

※参考:高橋庄太郎, 『山道具 選び方、使い方』, 株式会社枻(えい)出版社, 2013年, p.102.

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