登山ザックのイメージ

登山ザックメーカー9選|グレゴリー・オスプレー・ミレーなどの歴史と特徴

登山ザックは、各メーカーがかなり力を入れており、数多くの種類があります。
そのため、初心者の方が選ぶのに苦労するアイテムの1つです。
まずは登山ザックをつくっているメーカーを知り、それぞれの歴史と特徴をおおまかに掴んでいきましょう。

 

登山ザックのメーカー

登山ザックのメーカーにはどのようなものがあるでしょうか。
今回は、特に人気の高い9つのメーカーと30Lくらいの容量の代表的なザックについて簡単に説明したいと思います。
人気の高さに関する情報は下記のサイトを参考にしました。
参考:ヤマケイ

 

△アークテリクス
△オスプレー
△カリマー
△グレゴリー
△ドイター
△ザ・ノース・フェイス
△マムート
△ミレー
△モンベル

 

アークテリクス

アークテリクス公式オンラインストア

革新的な高機能アウトドア製品を取り扱うカナダ、バンクーバー発祥のアウトドアブランド。アルパイン、クライミング、ハイキング…

本社:カナダ
創業年:1989年

 

クライマーの創業者らがハーネスを製造したのが始まり。
ザックはもちろん、ウェアやシューズなど幅広く手掛けています。
品質が良いのはもちろんですが、デザインもシンプルでかっこいいイメージです。
少し高価格。

 

オスプレー

オスプレーのサイト。大型~小型まで多様な使用目的に対応する高性能登山用パックを製造するメーカー。モデルごとに吟味された機…

本社:アメリカ
創業年:1974年

 

美術大学で絵画を専攻した創業者は、登山と芸術をうまく一体化させた実用的な物創りの対象としてパックに着目。
創立当初オーダーメイドのパックを製造していました。
ザック専門メーカーなので種類やカラーバリデーションが多いです。
価格は安めでコスパが良いのが特徴です。

 

カリマー

karrimor オフィシャルサイト

イギリス発の総合アウトドアブランド〈karrimor カリマー〉の公式ウェブサイトです。アルパイン・エクスペディションか…

本社:イギリス
創業年:1946年

 

サイクルバッグメーカーとして創業し、タフで機能的な製品という評判から後にクライマー向けのザックも手掛けるようになりました。
ブランドの語源は「carry more=もっと運べる」。
ザックだけでなくウェアも多く販売していて、街着用のレーベルもあります。

 

グレゴリー

カリフォルニア発のバックパックブランドGregory(グレゴリー)公式サイト。40年以上愛される最高の背負い心地を備えた…

本社:アメリカ
創業年:1977年

 

南カリフォルニアに拠点を置くバックパック専門メーカー。
とにかく心地よい背負い心地を追求しているメーカーで、背負うのではなく「着る」ようにフィットすることをコンセプトとしています。
それぞれの体格に合わせて選べるように、パック本体とショルダーハーネス、ウエストハーネスについて複数のサイズ展開を始めたのもグレゴリーです。

 

ドイター

ドイターは、トレッキングリュックサックからハイキング用バックパック、ベビーキャリアまで、高い品質要求に応えるバックパック…

本社:ドイツ
創業年:1898年

 

もともとはセイル(帆)、リネン素材、袋類の生地、車や馬等のブランケットなどを生産していたメーカーです。
今でこそ他のメーカーにも多く取り入れられているエアコンフォートシステム(通気性の高い背面構造)を生み出したのはドイター。
セイルや車や馬等のブランケットを扱っていたドイツのメーカーということで、造りがしっかりとしていて手堅いイメージがあります。

 

ザ・ノース・フェイス

THE NORTH FACE - ザ・ノース・フェイスブランドサイト

アウトドア、ランニングなどのあらゆるシーンに適したアイテムを展開。株式会社ゴールドウインが運営するTHE NORTH F…

本社:アメリカ
創業年:1968年

 

巨大なアウトドアブランド。
ザックだけでなく服や靴、テントなど多くの商品を扱っており、登山はもちろんトレーニング時や街の中でもよく見かけるメーカーです。
小さなショップとして始まったザ・ノース・フェイスは、はじめバックパッキングと登山用の商品を扱っていました。
先進的な機能が盛り込まれており、色やデザインはシンプルなものが多いです。

 

マムート

マムート公式通販(MAMMUT ONLINE STORE)

160年の歴史を持つスイスのアウトドアブランド、MAMMUT- マムート - 公式オンラインサイトです。ロープ作りを原点…

本社:スイス
創業年:1862年

 

もともとはロープの製造を行っていたマムート。
さまざまな企業を買収しながら、寝袋や靴、ザックなど多くのアイテムを手掛けていくようになります。
クライマーに人気が高く、色やデザインが先進的なイメージです。

 

ミレー

ミレー(MILLET)公式オンラインストア

フランス生まれのアウトドアウェア&リュック。ミレー国内最大の品揃え。登山用のレインウェアや登山ザックが、一通り揃って最短…

本社:フランス
創業年:1921年

 

キャンバス生地のトートバッグをつくられたのがはじまり。
史上初の8,000m峰制覇に貢献したのがミレーのザックで、その後、ナイロン素材を全般的に使用した初のバックパックを作り出します。
登山の黎明期から関わり、ザック界を引っ張ってきたミレーのザックは今も多くの人の憧れの的となっています。
ザックは堅実で細部まで隙のないつくりで、色やデザインも無駄なくシンプルな印象です。

 

モンベル

モンベルは「function is beauty」と「Light&Fast」をコンセプトに、登山用品をはじめさまざまなア…

本社:日本
創業年:1975年

 

世界で愛される登山用具やアウトドアグッズの開発を目ざして、日本で設立されたメーカー。
日本全国どこでも店舗を見かけるので、知らない人は少ないでしょう。
アウトドア総合メーカーで、取り扱っているアイテムの種類はとても多いです。
他のメーカーと比べると少し手頃な価格で、コスパが高いです。
ザックは、きめ細かいつくりで丈夫ですし、修理などにも丁寧に対応してくれます。

 

ここで紹介したメーカー以外も知りたい方は、こちらのサイトが参考になります。
参考:アウトドア登山ガイド

 

 

次は、ザックの歴史を振り返り、それぞれのメーカーの特徴を掘り下げてみましょう。

 

登山ザックの歴史

まずはそれぞれのメーカーの創業年と国を図にしてみます(ザックの製造販売開始ではなく創業した年を示しています)。

登山ザックの創業年と国

 

9つのメーカーで最も古く創業しているのは、スイスのマムートで1862年です。
もともとは登山用ロープを製造販売する会社でした。
1862年と言えば、日本ではまだ江戸時代なので、とても長い歴史をもっていることが分かります。
他のエリアと比較すると、ヨーロッパ発祥のメーカーは長い歴史をもっています。
一方、北米や日本の主要なメーカーの創業は1960年~1970年代に集中しています。

 

それでは、ザックの歴史をより詳しくみてみましょう。
まずはヨーロッパ地域のザックの歴史をみてみます。

 

1950年 ミレーのザックを使用し、フランス隊がアンナプルナ峰(8,091m)に登頂。
1953年 ドイターがサポートし、ドイツ・オーストリア隊がナンガ・パルバット(8,125 m)に挑む。
1957年 カリマーの帆布製パック「ピナクル」が、イギリス隊がネパール・アマダブラム(6,856m)登頂時に採用。
1963年 ミレーが、ショルダーハーネスを軽量性と耐久性、防水性に優れたナイロン製に改良。
1964年 ミレーがナイロンをパック全体に採用。

 

ヨーロッパのザックは、ヒマラヤなどの高峰攻略の歴史とともに語られることが多いです。
特にヒマラヤの山々登頂に一役買い、ザックに革新をもたらしてきたミレー、ドイター、カリマーの3社は「欧州3大パックメーカー」と言われています。
次に、北米のザックの歴史に移ります。

 

1920年 フレームパックの元祖パックボード(通称トラッパーネルソン)誕生
1955年 軽量なアルミフレーム「ケルティA4」制作。トラッパーネルソンの半分の自重で、2倍の荷物が楽に背負えるようになった。
1967年 ロウアルパインが世界発のインターナルフレームパックを発表。
1977年 グレゴリーがぞれぞれの体格に合わせて選べるように、パック本体とショルダーハーネス、ウエストハーネスについて複数のサイズ展開をした。
2005年 オスプレーが個人の骨格にあわせて熱成形できるカスタムモールディングヒップメルトを発表。
2006年 アークテリクスが完全防水パックを発表。

 

北米のザックの歴史はフレームとともに語られることが多いです。
トラッパーネルソンは木製のフレームに荷物をくくりつけて背負うというもので、その後、フレームは軽量なアルミフレームに変わっていきます。
さらに時代を経て、アルミフレームはザックの本体に内蔵される形に移っていきました。

 

近年ではグレゴリーやオスプレー、アークテリクスによって、ザックの背負いやすさや利便性が格段に向上されます。
この3社は北米3大メーカーと呼ばれたりします。

 

登山ザックのガレージブランドにも注目

登山ザックを作っているのは、なにも大規模なメーカーだけではありません。
様々なガレージブランドが独創的なザックを作り出していて、フィールドで活躍し浸透していっています。

 

ガレージブランド
小規模ながら上質でオリジナリティあふれるアイテムを作り出すブランドのこと。ユーザーに近いポジションから商品が開発されているのが最大の魅力。作り手の体験に基づいたリアリティのあるデザインが多いだけに、フィールドで活躍する画期的なアイテムがガレージブランドから続々と生まれている。
引用:GOOUT

 

[国内ガレージブランド]

山と道

PAAGOWORKS(パーゴワークス)

Trail Bum(トレイルバム)

 

[海外ガレージブランド]

Zpacks

HYPERLITE MOUNTAIN GEAR(ハイパーライトマウンテンギア)

SIX MOON DESIGNS

Gossamer Gear(ゴッサマーギア)

 

北米ではロングトレイルが盛んで、長い距離をより楽に歩くためにウルトラライト・パッキング理論が生み出され、ザックや装備の軽量化が進みました。
上記で紹介したガレージブランドはウルトラライト・パッキング理論の流れを汲んでおり、生み出されるザックは軽量なものがほとんどです。
軽いというのはそれだけで大きなメリットになりますが、一方で様々な装備も省略されているので、使用する人には慣れと技術が求められます。

 

最初のザックとしては、重量が多少あっても機能がそろっているザックを選ぶことをおすすめします。
そのザックを使用してみて、やはり「軽さ」を重視したいという人はメリットとデメリットを踏まえたうえで、ガレージブランドのザックを選んでみるとよいでしょう。

 

結局どのメーカーがいいの?

ここまで複数のメーカーを紹介してきました。
この項では自分にぴったり合うメーカーを探すためのヒントを紹介します。

 

最初に選ぶザックとしては、やはり冒頭で紹介した9つのメーカーがおすすめです。
高品質であることはもちろん、流通している数自体が多いので、好きな色や自分にあったサイズなどが手に入りやすいからです。
また、部品交換や修理などにも対応してもらえる可能性も高くなります。

 

9つのメーカーからさらに絞るとしたら、次のようなイメージから選んでみてはいかがでしょうか(これは、あくまで私のイメージで、メーカーやザックの種類によっても変わってくるので、買う前にはどのようなザックなのかをきちんと確認しましょう)。

登山ザックのイメージ

欧州メーカー(カリマー、ドイター、ミレーなど)
長い歴史の中で改良を重ねてきた。アルピニズム。垂直移動のイメージ。北米メーカー(グレゴリー、オスプレーなど)
背負い心地をと新技術を追求。ロングトレイル。水平移動のイメージ

国産メーカー(モンベルなど)
日本の環境と日本人の身体にフィット。きめ細かいつくり。

 

これから高山を中心に登りたいという人は、欧州メーカー。
長い距離をゆっくりハイキングしたいという人は、北米メーカー。
きめ細かいつくりで、日本の環境と日本人の身体にフィットしたものがいいという人は国産メーカー。
という具合に絞り込むのもアリだと思います。
ちなみに、石井スポーツのHPにも次のような記載があります。

 

ちょっと個人的な主観が入ってしまうのですが、アメリカのザック(バックパックと呼ばれたりしますけど)というのは、どちらかと言えば水平移動のイメージで、旅行をするためのものという感じです。ヨーロッパのブランドっていうのは、どちらかと言えば山に登る、垂直移動のイメージ。僕は、山に登ることが好きな人間なので、ヨーロッパ派(すなわちミレーやカリマー)ですね。
引用:石井スポーツ

 

ガレージブランドのザックについては、登山にある程度慣れ、やはり軽量なモデルが欲しいと思った場合に、メリットデメリットを踏まえたうえで購入するのがいいと思います。

 

どのメーカーを選ぶにしても大事なのは、身体にフィットすることです。
どんなに機能がすぐれていても、どんなにデザインがかっこよくても身体にフィットしいていなければ、ザックとしての機能を果たすことができません。
ですから、最終的には身体にフィットするかどうかで判断する必要があります。
ザックの選び方や背負い方については、こちらの記事も参考にしてみてください。

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まとめ

今回は、登山ザックのメーカーの歴史と特徴について解説しました。
まとめに移ります。

 

・アークテリクス、オスプレー、カリマー、グレゴリー、ドイター、ザ・ノース・フェイス、マムート、ミレー、モンベルの9つのメーカーのザックが特に人気。
・ミレー、ドイター、カリマーは「欧州3大パックメーカー」、グレゴリー、オスプレー、アークテリクスは「北米3大メーカー」と呼ばれる。
・多くのガレージブランドはウルトラライト・パッキング理論の流れを汲んでおり、軽量なものがほとんど。軽量な分、様々な装備も省略されており、使用する人には慣れと技術が求められる。
・最初に選ぶザックとしては、9つのメーカーのものがおすすめ。高品質で好きな色や自分にあったサイズなどが手に入りやすい。
・選ぶのに迷ったら、「高山を中心に登りたいという人は、欧州メーカー。長い距離をゆっくりハイキングしたいという人は、北米メーカー。きめ細かいつくりで、日本の環境と日本人の身体にフィットしたものがいいという人は国産メーカー。」という具合にイメージで絞り込むのもアリ。
・どのメーカーを選ぶにしても大事なのは、身体にフィットすること。
参考:ホーボージュンら, 『山岳大全シリーズ① 山岳装備大全』, 株式会社山と溪谷社, 2011年, p.49-56.
登山ザックのイメージ
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